金星探査の歴史とアメリカの歴代の金星探査機をまとめました

金星の探査は1960年代からアメリカと旧ソ連によって行われて来ました。
たくさんの探査機を打ち上げ色んな調査がされてきました。
アメリカの探査機の名前は「マリナー」、旧ソ連の探査機名は「ベネラ」。

主にこれらが金星の撮影を試みたり、着陸が試されたりました。

ここではアメリカとソ連(現ロシア)を中心とした金星探査の歴史をまとめました。
またアメリカの歴代の金星探査機も紹介します。

アメリカとソ連の金星探査

ソ連は初めは金星を目指し1961年にスプートニク7号を打ち上げました。
しかしロケットが故障して失敗します。
その後も探査機を立て続けに打ち上げましたが相次いで失敗しました。

アメリカは1962年にマリナー2号が金星の観測に成功し、金星が非常に高温で過酷な環境であることが分かりました。

その後の1967年、マリナー5号が金星の高度4000kmにまで接近します。
磁場や放射線の環境、金星の大気などを観測し、上層の雲が冷たいことなどが分かりました。

また、マリナー10号は水星の撮影に向かう前に金星を通過した際に高度5768kmから金星を撮影、紫外線を使用し連続的に写真を撮って金星大気の高速循環(スーパーローテーション)を発見しました。

また磁場が地球と違って非常に弱いことも分かりました。

 

一方、ソ連は1966年にベネラ2号で距離2万4000kmで金星フライバイを成功させます。
すぐ後にはベネラ3号がカプセルを金星に命中させましたが、地球へデータを送信することはできませんでした。

フライバイ:接近通過。星の重力を利用して宇宙機の進む方向や速度を変える技術のこと。スイングバイと同じ意味にも使う場合もあります。

 

ベネラ4号で初めて探査機が金星表面へと降ろされます。
探査機による金星観測は成功し、計測データを送ることにも成功しました。

1970年にはベネラ7号が初めて金星に軟着陸しました。
気候の測定に成功します。

1975年のベネラ9号、10号ではもっと詳しく計測しました。

  • 上空の雲が3~40kmの厚さがあること。
  • 大気に塩化水素、フッ化水素、ヨウ素などの成分が含まれていること。
  • 大気圧が90気圧であること。
  • 表面温度が485℃であること。
  • 明るさは地球の曇りの日ほどであること

など。

1983年ベネラ16号まで金星探査が行われました。

 

当時はアメリカとソ連の競争みたいな一面がありましたが、金星探査に関してはソ連が一歩リードした感じですね。
アメリカのマリナーが10号まで、ソ連のベネラが16号まで作られ打ち上げられたわけですが、これ相当な予算がつぎ込まれたでしょうねえ。

 

その後はソ連は1984年にベガ1号と2号を打ち上げます。

アメリカは1989年にマゼラン(運用は1994年まで)と木星探査機のガリレオを打ち上げます。

それらを最後に金星探査は一旦途切れました。

欧州の金星探査と日本のあかつき

その後は2005年に欧州宇宙機関 (ESA)がビーナス・エクスプレスを打ち上げます。

2006年4月11日に金星周回軌道に到着した後、2014年5月に観測運用を終了しました。

あかつき

日本も金星探査機を打ち上げました。

2010年5月21日に種子島宇宙センターから「あかつき」打ち上げられました。

2010年12月7日に金星の周回軌道に入る予定でしたが、メインエンジンが故障したため、金星に近い軌道で太陽を周回しながら宇宙をさまよう状態になってしまい一旦失敗。

しかしその後、6年後に金星に再接近する際にまだ生きてた姿勢制御エンジンを使うことより、金星の周回軌道に移ることが可能と分かりチャレンジします。

当初計画とは全く異なるプランになってしまいましたが2015年12月7日に金星周回軌道への再投入が行われ成功します。

2016年4月4日、再度の軌道修正を行い、観測期間が当初予定の800日から2000日に延びることとなりました。

それ以後は金星を周回しながら、大量の写真を撮影しています。

 

このニュースを見たときは遠く離れた宇宙空間なのに地球からそんな微調整みたいな指示ができるのだと心躍らせましたよね。

はやぶさの時もそうでしたがJAXAの技術には感心します。

マゼラン以前も金星探査機をアメリカは色々作ってました

アメリカが金星探査に作った探査機をまとめました。

マリナー

マリナー2号はマリナー1号が失敗したので打ち上げられることになった機体です。
アメリカでは初めて成功した惑星探査機となりました。
1962年8月27日に打ち上げられ、12月14日に金星から35,000kmの地点を通過しました。
世界初のフライバイに成功します。
金星から放射されるマイクロ波を観測しました。
この結果、
金星表面が非常に高温であることが分かりました。

マリナー5号は金星の環境や大気などを観測しました。
マリナー10号は金星の撮影に成功しました。

金星探査に使われたマリナーは2号、5号、10号のみです。

パイオニア・ヴィーナス

1978年打ち上げ。

周回機と4つの着陸機からなる大プロジェクトでした。
周回機はぐるぐる回りながら紫外線で雲を撮影したり、金星周辺に広がっている電離大気や磁場を調べたり、レーダーで雲の下の地形を調べたりしました。
着陸機は金星のあちこちに突入する機体で、降下しながら大気の温度や風、組成を調べました。

周回機は1992年まで長い期間、貴重なデータをもたらしてくれました。

マゼラン

1989年打ち上げ。
スペースシャトルで打ち上げられた初の惑星探査機です。
1990年8月10日から1994年10月11日まで金星を周回しレーダーで地形を調べ、表面の98%をカバーする地図を作りました。
現在最も詳しい金星表面の地形図です。

最期は役目を終えて金星に落下しました。

メッセンジャーとガリレオ

メッセンジャーは水星探査機ですが、2005年に最初の金星フライバイで、2007年には2回目の金星フライバイの際に金星の撮影に成功しています。

ガリレオは木星探査衛星ですが、金星フライバイのために金星に立ち寄りました。
金星の近くを通りすぎる際に、金星の雲を撮影したり、金星大気中の電波を観測したりしました。
1989年打ち上げ。

金星の有人探査は過去にあった?過酷な環境で可能なのか

金星での有人探査はいままでありません。

金星の環境は、大気のほとんどが二酸化炭素で、その上空は厚い硫酸の雲で覆われてます。
硫酸の雲って響きだけで危険ですよね。

また、大気には二酸化炭素の他に塩化水素、フッ化水素、ヨウ素なども含まれており、大気圧が90気圧もあります。
そして表面温度が400℃以上と、とても人間が居られる場所ではありません。

自転速度の60倍以上で吹くスーパーローテーションという風もあります。
自転速度より早く吹くなんて不思議ですが風速は100m/sに達するほどの強風です。

月のように宇宙飛行士がぴょんぴょん歩ける場所ではありません。

金星探査の歴史まとめ

また新たな金星探査の計画がアメリカで始まります。

金星の軌道を周回して、レーダーで地表の標高など観測して金星地表のほぼ全域の3D地形図を作成する計画です。
金星でのプレート運動や火山活動の有無を判断する手掛かりになると期待されています。

2028~2030年の探査機打ち上げを目指すようです。

金星は地球と似た星と考えられてますが実際は環境に大きな違いがあります。

太陽に近いから厳しい環境になるんですかね。

金星のプレート運動とか火山活動があるのかとか気になるところです。