たけのこは大きいのを頂く機会もあり、食べきれないこともよくあります。
冷凍保存する方も多いと思いますが、冷凍したたけのこはまずいとよく言われます。
ここでは、たけのこを冷凍したらまずくなる理由とまずくならない冷凍保存の方法など紹介していきます。
たけのこを冷凍するとなぜまずい?理由と対処法
たけのこの冷凍がまずいと感じる主な理由は、解凍時に水分が抜け中身がスカスカになるからです。
たけのこは冷凍すると、細胞内の水分が凍るので凍結したときの膨張でたけのこの細胞壁を壊してしまいます。
そのまま解凍すると、壊れた細胞壁から水分が抜け出てしまいスカスカになってしまうのです。
これに加えて、冷凍焼けや臭い移りといった冷凍保存の欠点も理由の一つです。
冷凍焼けは食材が空気に触れて酸化する現象です。
臭い移りは文字通り冷凍庫の臭いや近くの食材の臭いが染み付いてしまう状態です。
水分の抜けることは食感に影響しますが、冷凍焼けや臭い移りは味や香りに直接影響します。
これらの要素が組み合わさると、非常に不味い冷凍たけのこができ上がってしまいます。
ですが、たけのこを冷凍する前に適切に対処することで、このまずさをしっかりと防ぐことができます。
まず、冷凍たけのこがスカスカになるのを防ぐには
- 下茹でする
- 繊維を断つように薄くカットする
などの対処法が必要です。
加えて
- 砂糖をまぶして保水性を高める
- だし汁につけた状態で冷凍する
などの処置をする必要があります。
冷凍焼けや臭い移りの対処は
- しっかり密封
- 短時間で冷凍
- できるだけ早く食べる
ということを意識しましょう。
たけのこの冷凍方法
たけのこの美味しさを損なわない冷凍方法を説明していきます。
たけのこはアクが強い食材なので、基本的な考え方として冷凍する際も事前に茹でてアク抜きすることが必要です。
このステップを省略すると、解凍して食べた際に苦味やえぐみが口中に広がり、まさにまずいたけのこを味わってしまうことになります。
ぬかを使用した基本的なアク抜き手順
- 外の皮を3~4枚剥きます。
- 先っちょを切りおとります。
- 米ぬか、鷹の爪と一緒に水にいれ落し蓋をして30分茹でる。
- 竹串がすっと通れば取り出す。
- 水で米ぬかを洗う。
- 固い部分を剥く。
1本250gのたけのこに対し、米ぬかが1カップ、赤唐辛子1本が目安です。
スーパーではアク抜き用としてたけのこと一緒に米ぬかも置いてあることが多いので見てみてください。
ぬかを使いたくない場合は、お米のとぎ汁や重曹などでもアク抜きが可能ですよ。
次に切り方ですが、アク抜きが完了したたけのこを繊維を断つように薄くカットするのが重要です。
この方法で繊維を断つことで、冷凍・解凍時の食感の変化を最小限に抑えられます。
また、薄く切ることで冷凍時間を大幅に短縮することができます。
冷凍時間は短くする方がおいしさを損なわずに済みます。
ここまでが冷凍保存をする前にやっておくべきことです。
冷凍する方法はいくつかあるのでやりやすい方法を選んでください。
砂糖をまぶして冷凍
砂糖は単なる甘味料というだけでなく、食材の水分を逃がさないという特性があります。
この性質を利用して、冷凍たけのこの水分を封じ込める方法です。
①たけのこに均等に砂糖をまぶす
アク抜きしたたけのこ300gに砂糖大さじ1くらいが目安です。
②ラップで包み、それをフリーザーバッグに入れる
このプロセスは冷凍焼けや臭い移りの防止策ですので、これを怠らないようにしましょう。
フリーザーバッグに入れる際は、空気を抜きできるだけたけのこが重ならないようにするのがポイントです。
③金属製のトレイなどに載せて冷凍庫へ
金属製のトレイで急速冷凍します。
熱伝導率の高い金属性のトレイに載せることで、冷凍時間を短縮できます。
上から保冷剤をのせれば、より迅速に凍結できます。
この状態で約1ヶ月間保存可能ですが、冷凍中も少しずつ劣化するのでなるべく早く食べきるようにしましょう。
使用する際は解凍せずにそのまま料理に活用できます。
ただし、甘みが強くなる可能性があるため、甘みのある料理に使用するか、味付けの段階で砂糖の量を調整するなどしてください。
だし汁に漬けたまま冷凍
だし汁に漬けた状態で凍らせることで、水分の漏れを防ぐだけでなく、だしの旨味をたけのこに浸透させることができます。
そのため、煮物や炊き込みご飯に使用する場合、そのまま手軽に活用できます。
これは非常に便利な方法です。
手順は先程の砂糖をまぶす手法とほぼ同じです。
ただし、ラップで包むことができないため、だし汁と一緒にフリーザーバッグに入れる形になります。
だし汁が漏れないように、しっかり口を閉じましょう。
たけのこが重ならないようにし、金属性のトレイに載せて冷凍させればOKです。
だし汁に漬けると言っても、火を通すわけではないので手軽ですね。
保存期間は、砂糖まぶした場合と同様で約1ヶ月が目安となります。
たけのこだけを使用する場合は、一度鍋に入れて解凍しその後だし汁と分けて使用します。
だし汁ごと使用する場合はそのまま鍋で調理しても問題ありません。
ちなみに、だし汁は中華スープやコンソメスープに代替しても問題ありません。
用途が決まっている場合は、そのジャンルに合ったものを試してみてください。
もちろん、切り方やサイズを変更しても問題ありません。
冷凍に失敗したたけのこを復活させる
冷凍に失敗してスカスカになってしまったたけのこを美味しく楽しむ方法をまとめてみました。
スカスカなたけのこの美味しい食べ方は
- たけのこを主役にした料理ではなく具材として活用する
- 小さく切って使うこと
- しっかりと味をつけること
となります。
料理に使う際は、たけのこを小さく切ったり、薄くスライスしたりすることでスカスカな食感が気になりにくくなります。
また、水分と一緒に旨味も失われている可能性があるため、味つけは濃い目にすると美味しく食べられます。
たけのことこんにゃくのおかか炒め
さっと茹でた一口大のこんにゃくを使います。
こんにゃくと、小さく切ったたけのこをごま油で炒め、醤油・酒・みりん・砂糖で味つけします。
最後にかつお節をトッピングすれば完成です。
異なる食材の食感を組み合わせることで、たけのこのスカスカな感じをある程度ごまかせます。
手軽に調理できる一品で、ごま油とかつお節の香りが食欲をそそります。
たけのこ鶏つくね
- たけのこを細かく刻んで鶏ひき肉に混ぜます。
- 塩こしょう・醤油・すりおろし生姜で味付けし、しっかりとこねます。
- 手のひらサイズにまとめてフライパンで焼きます。
焼かなくても一口大にスプーンですくってスープに投入しても、美味しく楽しむことができます。
まとめ
たけのこを冷凍したらまずくなる理由と、まずくならない冷凍方法について解説しました。
冷凍保存をするにもしっかりと下ごしらえが必要なんですね。
もしまずくなってたら細かく切って他の料理に混ぜてしまいましょう。