お家で揚げ物をしているとき、ぶくぶくと泡立って溢れちゃった!
という経験はありませんか?
それとか、泡立って食材が見えないがゆえに、カラッと揚がらず揚げムラが出来てしまったり。
てんぷらは熱々でカラっとあがったものが食べたいですよね。
どうして揚げ物油が泡立ってしまうのか、その原因の解明と対処法についてまとめたいと思います。
結論から言いますと、油が泡立つ主な理由は、油の粘度が高まり泡が消えづらくなるためです。
洗剤の泡が消えにくい状態と似ています。
この記事では、油がどうして泡立つのかをわかりやすく解説し、泡ができてしまった時の対応や予防の方法も紹介します。
良い泡と悪い泡の違い
揚げ物に関わらず、どんな油を使ってもどんな材料を使っても、揚げる行為自体で必ず泡が出ます。
でも、揚げ物で見る泡には、問題ない泡と問題のある泡があります。
まず、問題ない泡とはどのようなものでしょうか?
問題ない泡の特性
問題ない泡、別の言い方をするなら気にする必要のない泡は「気泡」を指します。
食材には様々な水分が含まれています。
高温の油で食材を調理すると、その水分が変化し空気中に蒸発して気泡を作り出します。
これが問題ない泡の本質です。
問題のある泡
一方で、悪い泡も存在します。
この泡は気泡よりも大きく、ブクブクと目立ちます。
ビールの泡や、カニの口から出る泡に似ており、通常の揚げ物で見られる気泡とは明らかに異なります。
この泡は味や匂いを損ね、体にもよくありません。
このような泡はカニ泡とも呼ばれています。
揚げ物をして泡立つのはなぜ?
揚げ物で泡立つのはなぜか、思ったよりもたくさんの原因があります。
様々なものが原因として挙げられており、こんなにも原因があるのかと驚きます。
主な原因は以下通りです。
- 油の温度が低い
- 衣や食材の水分が蒸発することによるもの
- 繰り返し使うことによって油が古くなってしまうことによるもの
- 衣などに使う卵が多すぎることによるもの
- 肉や魚などの動物性脂質によるもの
詳しく説明します。
油温が急に下がる問題
揚げ物をする際、鍋の大きさや材料の量で手間がかかることがあります。
手間がかかりすぎるとめんどくさくなって、一度にたくさんの材料を鍋に入れてしまいがちになります。
使用する油の量にも依存しますが、材料を一気に多く加えると油の温度が急に下がります。
これが、材料の量が多いことと合わせて、大量の泡が出る原因になることがあります。
一度に多くの材料を揚げると、材料が互いにくっついたり鍋の底に付いて焦げたりするなど、好ましくない結果を招くことが多いです。
面倒かもしれませんが、少しずつ材料を揚げていくことが重要です。
衣や食材の水分が蒸発することによるもの
衣や食材の水分が多いと、急に熱せられた水分が一気に水蒸気となって泡立ちます。
これが油が泡立つ原因です。
これは一時的なものなので新しい油でも起こります。
繰り返し使うことによって油が古くなってしまうことによるもの
繰り返し油を使っていると、油も劣化し疲れてきます。
そうすると泡が消えにくくなり、ブクブクと泡立ったまま溜まってしまいます。
※これをカニ泡といいます。
それが度重なっていくと泡立ちがひどくなり、食材が見えないほどになり吹きこぼれてしまううのです。
衣などに使う卵が多すぎることによるもの
卵の卵黄にはレシチンという成分が含まれており、これが油に溶けだすことで石鹸で泡立てたように泡が立ちます。
そのため食材についている卵の量が多いと、溶けだす量も増えるので泡立ちが多くなってしまうというわけです。
肉や魚などの動物性脂質によるもの
肉や魚などの動物性の油分が溶けだすことで泡立ちます。
量が多いとその分溶けだす量が増えるので泡立つ量も増えるというわけです。
このほかにも、揚げる油の量が少ないといったことも原因として挙げられます。
揚げ物を行う際は、たっぷりの油で適正温度を守って揚げることが大切といえます。
揚げ物の泡立ちの対策
次は各原因の泡立ち対策についてまとめます。
上記で挙げた各項目ごとに分かりやすく記載してみました。
衣や食材の水分の蒸発によるものの対策
一度にたくさんは揚げず、揚げ鍋の表面に少し余裕を持たせて揚げるようにすると、一気に泡立つことが抑えられます。
繰り返し使うことによって油が古くなった対策
ここまできてしまったら、油をとりかえてしまいましょう。
まだ使えるかも、と思う際はきちんと濾して汚れを取り除きましょう。
揚げ油の取り換えは劣化を感じるサインがあります。
嫌な臭いがしたり、油が濃い茶色になっていたり熱した際に煙が出てきてしまったりなどです。
様子を見て取り替えましょう。
衣などに使う卵が多すぎることの対策
卵の影響による泡立ちは、新しい油を足すことである程度抑えられます。
泡立ちが気になるときはさし油をしてみてください。
肉や魚などの動物性脂質によるものの対策
こちらも卵の時と同様、さし油をするとある程度の泡立ちは抑えられます。
揚げる際にも、1度に揚げる量を少しにするなどすると揚げムラもなく美味しくあがりますね。
米油を使ってみる
このほかの対策としては「揚げ油の種類を変えてみる」ということです。
大抵は菜種油やキャノーラ油等を使っているご家庭が多いかと思いますが、『こめ油』という油を使用するのがおすすめです。
こめ油の特徴としては植物性の油で、米ぬか由来で出来ています。
身体によい成分も多く含まれており、そして酸化しにくく、さらっとしているので泡立ちにくいのも特徴です。
揚げ物もカラっと揚がるので、安全に泡立たたず美味しく揚げることが出来ます。
身体に優しく料理ができるのはとても魅力的ですね。
一度使ってみるのもよいのではないでしょうか。
揚げ物の油を繰り返して使う場合の注意点
揚げ物をするときに役立つ対策をお伝えしましたが、ここでは日常的に油を使う際の注意点をご紹介します。
以下、実践しやすい4つのポイントを挙げてみましょう。
油の新鮮度を考慮したメニュー
使用する油の新鮮さに合わせて、何を揚げるかを考えましょう。
新しい油では、油を汚しにくい野菜の天ぷらからスタートし、徐々にフライやカツなどの味付けした食材へと移行するのがおすすめです。
古くなった油では、特に野菜を揚げると臭いが移る恐れがあります。
新鮮な油はデリケートな野菜に、少し使った油は味の強い肉や魚に使うと良いでしょう。
揚げ油の保管は必ず濾過してから
揚げ物の後、油を保管する際は天かすや粉などの食材のカスが残らないように必ず濾過しましょう。
濾過フィルター付きのオイルポットを使うと、細かい汚れもしっかりと除去できるため油の劣化を防ぐことができます。
オイルポットは百均やホームセンターなどにも売っていますので一つ用意していると便利なのではないかと思います。
冷暗所で密閉容器に保管
油は放置していると空気や光に触れることで酸化しやすくなります。
密閉できる容器に入れて、光の当たらない冷暗所で保管すると、油の酸化を遅らせることができます。
使用回数は2~3回までに制限
油は何度も使うほど劣化が進むため、使用回数は2~3回に限定しましょう。
濾過していても、使い続けることは避けるべきです。
劣化した油は体にもあまり良くないので、臭いなど劣化を感じたら新しい油を使うようにしましょう。
まとめ
いかかがだったでしょうか。
揚げ物はいざするとなると、油もたくさん使いますし揚げ加減が難しいですよね。
吹きこぼれなど、こうしたハプニングはなるべく避けたいものです。
私自身も、気を付けて揚げ物料理にもどんどん挑戦していきたいです。
皆さんも、参考にして楽しくクッキングタイムをお過ごしください。