ハイターなどの漂白剤をうっかり入れすぎてしまったり、つけ置きの時間が長くなりすぎてしまったりして、黒い服がオレンジ色に変色してしまった経験が無いでしょうか。
黒い服にオレンジ色のシミってすごく目立つし、「これって元に戻る?」と不安になると思います。
答えとして、残念ながら基本的には一度変色して色落ちした衣類は元の色には戻りません。
どうしても元に戻したい場合には、専門の業者さんに頼むことになります。
でも費用も時間もかかってしまうため、変色してしまった衣類は潔く諦めた方が良いでしょう。
今後同じような経験をしないためにも、黒い服をハイターなどの漂白剤で洗った時に色落ちしてオレンジみたいにに変色する原因や、元に戻すことが出来ない理由を解説していきます。
しっかり頭に入れて、二度と大事なお洋服を台無しにしないようにしていきましょう。
黒い服をハイターなどの漂白剤で洗うと色落ちする原因
まず、黒い服は漂白剤につけるとオレンジ色に変色し、その後、時間経過とともにだんだんと白く変色していきます。
仮にこのままずっと24時間以上漂白剤につけておくと、白く変色するだけでなくやがて生地がボロボロになります。
なぜ変色するのかというと、「漂白剤」というだけあって、この成分の中にシミや色素などを根本から分解する力があるからです。
もともとの黒色からオレンジ色へ、その後だんだんと白く色を分解していくのです。
オレンジになるのは、白く漂白する過程の色、ということです。
ヘアカラーをされる方ならイメージが付きやすいかもしれないですが、ブリーチ剤を使うと黒髪から一度オレンジっぽい髪色になり、その後時間をおいておくと完全に色が抜け白い髪色となりますよね。
この原理とも少し似ていますね。
漂白剤には2種類ある
漂白剤と聞くと「キッチンハイター」を思い浮かべる人は多いかもしれませんが、漂白剤には二つのタイプがあります。
このタイプによって、どのように使うかを注意しなければなりません。
塩素系漂白剤
このタイプは「キッチンハイター」のような商品が含まれます。
塩素系漂白剤は非常に強い漂白力を持っており、柄のある洋服に使うと柄が完全に消えてしまうことがあります。
そのため、このタイプの漂白剤は白い服にのみ使うことをお勧めします。
さらに、塩素系漂白剤は強い殺菌作用があるため、ノロウイルスなどの強いウイルスが付着した衣類やタオルを消毒するのにも有効です。
酸素系漂白剤
このタイプは塩素系よりも漂白力が弱いため、柄物の洋服にも安心して使えます。
「おしゃれ着用」と表示されている漂白剤がこのタイプです。
しかし、注意が必要な点もあります。
それは、色落ちしやすい素材の洋服には使わないことです。
漂白剤としての効果が弱いとはいえ、漂白力が全くないわけではありません。
色落ちしやすい洋服を扱う時は、色が抜けてしまうかもしれないので特に注意が必要です。
また、漂白剤に長時間漬けておくと色が抜けることもありますので、この点にも気をつける必要があります。
体操着のゼッケンの名前の消し方についてはこちらの記事に詳しくまとめてあります。
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体操着のゼッケンで油性ペンで書かれた名前の消し方落とし方!お下がりも綺麗に
ハイターなどの塩素系漂白剤で変色したものを修復する方法
間違って塩素系漂白剤を使ってしまったり、一部だけ色が落ちてしまった場合の対処法です。
白い服は色落ちの心配がありませんが、色の濃い服や柄物は色が抜けると目立ちますよね。
残念ながら、一度漂白剤の影響を受けて変色してしまった衣類を元に戻すことは基本的には出来ません。
冒頭でお伝えしたように、もし「どうしても元に戻したい」といった場合には専用の業者さんに頼んで色を染め直してもらう必要があります。
クリーニング店などでも対応してくれるところがありますよ。
ただ、既存の色に合わせて染めることになるのでとても難しいです。
なので出来上がったとしても仕上がりについては自分が思っているようなものになるとは限りません。
加えて、費用も時間もかかってしまいますのでよく考えて業者さんに依頼するようにしましょう。
「どうしても」といった場合に依頼するのをおすすめします。
自分で修復する方法
自分で対処する方法もありますのでいくつか紹介します。
お気に入りの洋服をもう少し長く着たい場合、いくつか役立つ方法があります。
染め直す
一つは全体を染め直すことです。
特に服全体の色が薄くなってしまった場合は、染め直すのが早いです。
と言っても、部分的な色落ちの場合は全体を染めるのは大変です。
そんな時は「染色ペン」を使うと手軽です。
このペンは、細かい部分もきれいに塗れるため便利です。
色々な色の染色ペンが販売されているので、よく使う色のペンを持っておくと何かあった時に便利です。
染色する前には、漂白剤が服に残っていないようにしっかりと洗うことが大切です。
漂白剤が残っていると、せっかく染めても色が定着しませんので注意してください。
油性ペンを使う
さらに、黒い服に限定されますが、油性マーカーを使って色落ちした部分を塗りつぶすという手段もあります。
これはあくまで一時的な解決策であり完璧な修復とは言えませんが、目立たなくするための応急処置として有効です。
急な場合や、一時的に見た目を整えたい時に役立つ方法です。
この方法は、特に急いでいる場合や一時的な対策として非常に便利ですが、長期的な解決にはならないため、その点を考慮して使用することが重要です。
黒い服を漂白剤で洗う方法
では、黒い服はいったいどうやって洗うことが適切なのか?
色々と対策方法があるので、1つずつ確認していきましょう。
▼事前に色落ちしないか確かめる
色落ちが心配な黒い服は、漂白剤を使う前にテストをすることをオススメします。
漂白剤を染み込ませた綿棒を、洋服の目立たないところ(Tシャツであれば、脇の下部分など見えないところが良いです)につけて数分おき、色落ちがないか確認します。
もしここで、色落ちが確認できる場合には、自分自身での洗濯は避けてクリーニングに出すことを検討しましょう。
もしくは、完全に黒い服だけで別に洗濯を行うことです。
漂白剤は使わずに、一般的な洗濯洗剤だけで洗濯をすることもオススメです。
▼手洗いをする
全自動洗濯機は、もはやどこのご家庭でも必需品となっているくらい普及しています。
しかし、すすぎの時間や脱水の時間などは細かく設定できないものもあるかと思います。
そのため、色落ちが心配な衣類を洗う時には、衣類の状態を目で直接確認しながら優しく洗うことが出来る「手洗い」を行うのがオススメです。
手洗いを行う際には、熱いお湯を使うのは避けるようにしましょう。
温度が高いと色落ちの危険性も高まりますし、種類によっては衣類が傷んでしまう場合があります。
やけどの危険性もあるので、できれば通常の洗濯に使う時の水温か、ぬるま湯程度に留めておくのが良いです。
▼漂白剤の種類を変える
塩素系の漂白剤は、漂白効果が高く、少ない量でも色落ちの危険性が高いです。
この際に酸素系の漂白剤を使用してみても良いと思います。
酸素系漂白剤は塩素系漂白剤に比べて漂白効果が弱いですが、一応つける時間などには十分注意しましょう。
▼洗濯の際の注意点
汚れても良い服で、手にはゴム手袋を着用して作業を行うようにしましょう。
洗っている際などのちょっとした動作で、漂白剤の水滴が飛び跳ねて着ている服や手についてしまう可能性もあります。
すぐに洗い流せば大丈夫ですが、手間となってしまいます。
それに、万が一、色落ちをしてしまったら残念な気持ちになるので、ここも気を付けたいポイントです。
まとめ
黒い服が変色をしてしまうと、凄く目立ってしまうため「もうお外では着られない…」という経験をしたことが、実は私にもあります。
私の場合は、漂白剤の飛び跳ねで黒いTシャツが複数の点状でオレンジ色に変色してしまったのです。
もう着られないので仕方なく部屋着として着用しております。
なので、本当に漂白剤を使うときは色んな注意が必要だと思ってます。
また、今回お伝えしたように、一度オレンジ色などに変色してしまうと自分の力では元に戻すことが出来ないため、色んな対策方法で大切なお洋服の色落ちを防いでいきたいですね。