「山芋をすりおろして、冷たいとろろそばにして食べよう」
そんな気持ちで山芋をすりおろしたけど、少し目を離した隙に紫色に変色してしまった…。
毎日の料理作りに追われる方なら、このような経験をしたことがあるかと思います。
すりおろしたら変色して紫になった山芋や長芋、これって食べられるの?ととても不安になりますよね。
結論から言いますと、基本的には変色してしまった山芋でも問題なく食べられます。
でも注意点もあります。
ここでは、山芋や長芋をすったら紫や茶色に変色したとき食べられるのかどうかや、山芋が変色する理由、山芋を変色させずに食べるにはどうしたらよいか、などを解説していきます。
山芋や長芋すったら紫や茶色に変色!食べられる?
先ほど解説したように、すりおろした山芋や長芋が変色してしまっていても問題なく食べられます。
ただ、注意点として、変色の色の程度などによっては食べずに処分した方が良い場合もあるので気を付けましょう。
順に説明します。
調理中に赤・紫・黒っぽく変色した場合
山芋の中に含まれる酵素が空気に触れ、変色しただけなので、見た目は悪いのですが問題なく食べることが出来ます。
茶色く変色
表面に現れたポリフェノールが酸化した結果です。
例えば、ナスやリンゴなどを皮を剥いてしばらく放置すると茶色に変色しますよね。
これと同じメカニズムです。
芋の古さや品種には関係ありません。
山芋の場合、わずかな茶色の部分がトロロ全体を茶色くすることがあります。
見た目はよくないですが、食べる上での問題はありません。
ただし、においや味に異常な違和感、刺激、粘りなどが感じられる場合は食べないようにしましょう。
内部まで変色している場合
先ほどご説明した状況とは異なり、山芋の皮をむいた際に
- 中身が既に変色している
- 中身を切ってもずっと変色した部分が多く出てくる
という場合には、腐っている可能性が考えられます。
こんなのを食べるとお腹を壊してしまいます。
あるいは最悪の場合だと食中毒になってしまうこともあるため、食べずに処分しましょう。
変色以外で手触りなどに違和感を覚える場合
通常の山芋とは違うような臭いがしたり、触っているとドロドロと溶けてしまったりするような感触があれば、それは腐ってしまっています。
絶対に食べないようにしましょう。
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にんにくが変色!茶色の場合は食べられる?変色を防止する方法も解説
山芋や長芋が変色してしまう理由は?
ではなぜ、山芋や長芋がこのように紫色などに変色してしまうのでしょうか。
原因は、山芋の中に含まれる酵素が空気に触れ、酸化したからです。
この山芋の中の酵素が空気中の酸素や金属と反応することで、メラニン色素を作り出し、芋の色を紫や赤、黒などの色に変色させます。
空気に触れることによる「酸化」で変色が始まるため、すりおろしたとろろはその分空気に触れる面積も広くなり、変色が早くなるのですね。
同様に、千切りにした山芋なども空気に触れる表面積が広くなるため、変色スピードが早いです。
この変色の度合いは、芋の系統などによって差があります。
自然薯などの山で自生していたものは、一般的にスーパーなどで売られている畑で栽培したものより変色の度合いが強く現れます。
これは、山で自生している山芋の方が、灰汁(あく)成分をより多く含んでいるからです。
この灰汁こそが酵素の1つなので、含まれている量が増えれば増えるほど変色の度合いも強く現れるのです。
山芋や長芋の変色防止にはお酢とレモン?
では、見た目の悪い変色した山芋を食べるしか無いのか、と言われればそうではありません。
お酢とレモンを活用して変色を予防することで、変色していない山芋を食べることができます。
下記の方法で調理すると、変色せず、白くて美味しそうな見た目のままの山芋や長芋を食べることが出来るますよ。
ぜひ実践してみてください。
▼お酢で酸化を防ぐ方法
長芋の変色を防止する際には、酢水が多く用いられます。
水1ℓに対して、お酢を大さじ1杯入れた「酢水」を作ります。
その酢水の中に、皮をむいて3~4㎝幅に輪切りにした山芋を浸しておくと酸化を防ぐことができ、変色予防となります。
▼レモン汁を使う方法
レモン汁を使って山芋や長芋の変色を防ぐ方法もあります。
もし、お酢の匂いが苦手だったり、その後の調理方法でお酢の香りや風味が残ることに抵抗があったりする場合には、レモン汁を使うことをオススメします。
方法としては、皮をむいた部分にレモン汁をそのままかけるだけなので、酢水を作ったりする手間がない分お手軽です。
ただ、まんべんなくレモン汁をかけないと、十分にレモン汁がかかっていなかった部分が変色する可能性があるので注意が必要です。
そのため、皮をむいた山芋を食べやすい大きさに切ってからボウルなどに入れてからレモン汁をかけるのが良いでしょう。
ボウルにレモン汁を入れ、全体にまんべんなくいきわたるように混ぜ合わせるだけでお手軽かつ変色予防ができるのでオススメです。
「山芋をすりおろしてから、すぐに調理する前に、ちょっとだけ調理器具の洗い物を…」なんて思っていると、気づいた時にはすでに変色していた、なんて経験が私にもあります。
見た目は悪くても食べられるので食べますが、なんか少し残念な気持ちになってしまいますよね。
どうせ料理を家族などに出すなら、美味しそうな見た目で出したいですよね。
山芋や長芋の変色は元に戻せる?上手な利用方法
山芋や長芋が変色していたら、できることなら元に戻したいですよね。
しかし、変色した山芋、長芋は元には戻せません。
でも、味には問題がないとしても色の悪い山芋は気になるという人もいるでしょう。
かといって捨てるのはもったいないですよね。
変色したものをそのまま使いたくないという場合は他の料理に使いましょう。
例えば、お好み焼きの生地に混ぜるのもひとつの方法です。
お好み焼きの本場では、山芋をすって材料に入れているほどですから、ふわふわになって美味しくなりますよ。
他には、「つなぎ」としても活用できます。
すりおろした長芋を鶏つくねやハンバーグなどの料理に混ぜましょう。
つなぎには小麦粉が使用されることが一般的ですが、これをとろろに置き換えると、グルテンフリーになり、小麦アレルギーの方でも美味しく食べられます。
また、とろろは小麦粉よりもふんわりとした食感に仕上がるため、また違った触感が楽しめます。
興味がある方は、ぜひ一度長芋をつなぎに活用したレシピを試してみてくださいね。
冷蔵庫に保存したとろろがピンクに変色したのは食べられる?
とろろはちょっと時間が経つと、ピンクや紫っぽく変わることありますよね。
この色はちょっと不安になりますが、実はこれ問題なく食べられるんですよ。
ただ、すりおろしてから3日以内のものだったら、です。
ピンク色になる理由は、ポリフェノールっていう成分が酸化するからなんです。
「酸化」と聞くとちょっと心配になるかもしれませんが、この場合は大丈夫です。
安心して食べてください。
ピンクに変色しないようにするには、少しだけ酢を加えるといいですよ。
色を変えずに保存できます。
うちでは、もしピンクになっちゃったら、醤油やめんつゆで色をちょっと誤魔化しちゃいます。
ピンクになっても3日以内なら、何とか食べられますよ。
まとめ
料理をしていると、ついつい目を離してしまう食材ってありますよね。
今回の山芋や長芋なども代表的なものです。
お酢やレモンを使うことで、お店で出てくるような真っ白いままの山芋を食べることが出来ます。
試しにやってみてはいかがでしょうか。