JRの新幹線と在来線ではどっちが線路の幅が広い?と質問されたら、ほとんどの人が新幹線と答えると思います。
それほど新幹線の線路は在来線より広い幅であると認識されてます。
では、新幹線と阪急電車ではどっちが広いですかと質問されたら、大勢の人が答えに悩むでしょう。
実は新幹線と阪急電車は線路の幅が同じなのです。
ここではJRと新幹線、私鉄の線路の幅の違いやについて解説していきます。
また標準軌、狭軌を使用してる電鉄を一覧にまとめました。
狭軌と標準軌と広軌
線路の幅には基本的に3種類あります。
- 狭軌(きょうき)
- 標準軌(標準軌)
- 広軌(こうき)
日本では線路の幅は主に使用されてるのは狭軌と標準軌の2種類ですのでこの2つについて解説していきます。
狭軌は1,067mm。
標準軌は1,435mm。
つまり1メートルちょいのと1.4メートルくらいの幅の二つ。
JRの場合、在来線は狭軌で新幹線は標準軌です。
なので当然、新幹線の方が広いです。
では阪急電車は?というと、阪急も標準軌なのです。
という事で新幹線と阪急電車は線路の幅が同じとなります。
だから阪急電車も新幹線の軌道をそのまま走れます。
実際、過去には新幹線の線路を阪急電車が走った事もあるのです。
新幹線が開業する直前の一時期、京都―新大阪間の新幹線と阪急が並走する区間で阪急が高架化工事をする間に隣の新幹線の軌道を借りて走ったのです。
JR・新幹線・私鉄のレールの幅一覧
JR在来線は狭軌、新幹線は標準軌、というのが基本です。
また、JRから切り離された第三セクターも当然狭軌となります。
新幹線開通によってJR在来線が第三セクター化されたローカル線などが該当します。
標準軌を使用してる主な私鉄および公営地下鉄
線路の幅が標準軌(1,435mm)な鉄道です。
京成 | 京福 | 仙台市地下鉄東西線 |
新京成 | 叡山 | 横浜市営地下鉄 |
京急 | 山陽 | 京都市営地下鉄 |
銀座線・丸の内線(東京メトロ) | 近鉄 (南大阪線・道明寺線・長野線・御所線・吉野線以外) | 名古屋市営地下鉄 (東山線・名城線・名港線) |
浅草線・大江戸線(都営地下鉄) | 阪堺 | 福岡市営地下鉄七隈線 |
京阪 | 北大阪急行 | 大阪メトロ |
阪急 | 北神急行 | 神戸市営地下鉄 |
阪神 | 西鉄 |
標準軌を使用してる私鉄は関西に多い。
狭軌を使用してる主な私鉄、地下鉄
東急 | 江ノ電 | 名鉄 |
小田急 | 相鉄 | 南海 |
西武 | 東京メトロ(銀座線・丸の内線以外) | 名古屋市営地下鉄(鶴舞線・桜通線・上飯田線) |
東武 | 都営地下鉄三田線 | 神戸電鉄 |
京王井の頭線 | つくばエクスプレス | 仙台市営地下鉄南北線 |
埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線 | 近鉄(南大阪線・道明寺線・長野線・御所線・吉野線) |
東京は狭軌の路線が多く、JRと地下鉄と各私鉄の相互乗り入れが可能となってます。
最近話題となった相鉄・東急新横浜線の開業による、相鉄線から東急線を経由して東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線や都営地下鉄三田線、または東京メトロ副都心線・東武東上線方面まで直通運転できるのもこれらの電鉄の線路の幅が同じだからなのですね。
近鉄はほぼ標準軌なのですが阿部野橋から出てる南大阪線と、それに連なって河内長野や吉野方面に向かう路線が狭軌となってます。
都営新宿線や京王線はちょっと特殊な線路幅なので次に解説します。
京王線の線路の幅
例外として京王電鉄は狭軌、標準軌どちらでもなく、1,372mmの馬車軌間と呼ばれる線路幅です。
この馬車軌間は京王線の他に東急世田谷線、都電荒川線があります。
もともと路面電車用の軌間だったのですね。
京王線が馬車軌間なものだから、京王線に乗り入れてる都営新宿線も京王線に合わせて1,372mmで作られてます。
同じ京王の路線でも井の頭線だけ狭軌で作られてるのも面白いですね。
馬車軌間の電車
- 京王(井の頭線以外)
- 東急世田谷線
- 都電荒川線
- 都営新宿線
まとめ
日本では線路の幅は大きく二つに分かれます。
新幹線や関西私鉄に多い標準軌。
JR在来線や東京の私鉄に多い狭軌。
それに加えて、京王線や路面電車に使われてるちょっと特殊な馬車軌間。
広い方から順に
- 標準軌:1,435mm
- 馬車軌間:1,372mm
- 狭軌:1,067mm
となってます。
標準軌の方が車体も大きく出来るしスピードも出せるから輸送力はこっちが大きいです。
なのに何で狭軌で作ったの?と疑問が湧きますが、明治の初めにイギリスから技術を導入した際にその時にイギリスで狭軌が流行ってたからとか、日本の狭い国土に合わせたとか色んな説があります。
標準軌への改軌論争というのが昔からあったようですが実施には至らぬまま現代へ。
今さら無理ですわな。
まあ、100年くらい経ったら線路とか必要なくなる時代が来るかも知れませんけどね。