ドウダンツツジは涼しげな枝振りと愛らしい白い花で知られています。
シンボルツリーや生け垣として人気がある木ですが、家の庭には向かないという意見もあります。
庭にドウダンツツジを植えるべきではない、とよく聞かれる最も大きな理由は、”毒がある”とされてきたことです。
でも、現在では実は毒はないと明らかになっています。
そこで、この記事ではドウダンツツジを庭に植えてはいけない理由や植えるメリット、庭で育てるためのポイントを解説していきます。
ドウダンツツジを庭に植えてはいけない理由
多くの人がドウダンツツジを庭に植えるのを躊躇する理由は、以下の4点に集約されます。
- 一般的な誤解による「毒性」の懸念
- 目隠しにならない
- 落ち葉の清掃が手間で、近隣に迷惑をかける可能性
- 蜜を求めて蜂や蟻が集まること
これらの点は、植える前に知っておくべきポイントですね。
「毒性」の誤解
ドウダンツツジを庭に植えてはいけない理由として、「毒性がある」という誤解があります。
1980年代以前の文献には、ドウダンツツジが有毒と記されていたこともあり、これが誤解の原因の一つです。
しかし、現代の科学研究ではドウダンツツジに有毒な成分は含まれていないことが明らかになっています。
中毒事例も、人でも動物でも報告されていないのです。
学校や公園に植えられることも多く、安全性には問題がないと言えます。
誤解された原因
ドウダンツツジが有毒と誤解されたのは、主に猛毒のスズランの花に似ているためです。
他にも見た目が有毒なツツジ科の植物に似てたからという理由もあります。
つまり、外見の似た他の植物との混同が誤解の根本にあると言えます。
目隠しにならない
ドウダンツツジ庭に植えてはいけない理由の一つに、目隠しとして使えないことがあります。
家の庭や道からの視線をブロックしたいと考える人は多いですが、ドウダンツツジはその目的にはあまり適していません。
その理由は以下の通りです。
- 冬には葉が落ちる落葉樹であるため、一時期は丸見えの状態になる
- 成長してもあまり高くならず、多くは1~2メートル程度でとどまる
特に冬場には枝だけの状態になるため、プライバシーの確保は難しいです。
しかし、育つと枝が密になり、ある程度の目隠し効果は期待できるという意見もあります。
清掃の手間と隣家への迷惑
ドウダンツツジの葉は小さく、秋になると大量に落葉します。
これが掃除の手間となり、さらには隣家に迷惑をかける可能性もあります。
- 落ち葉を一掃する作業が毎年大変になる
- 風で隣家に葉が飛んでいき、トラブルの原因になることも
「隣のドウダンツツジの葉がうちにも!」というような隣人間の問題に発展することも考えられます。
花の蜜が蜂や蟻を誘引
ドウダンツツジは美しい花を咲かせますが、その蜜には蜂や蟻が引き寄せられます。
特に蜂は問題となり得ます。
蜜を求めて蜂や蟻が集まる上に、蜂は巣を作ることもあるので厄介です。
小さな子供やペットがいる家庭では、蜂の存在は大きな懸念となります。
自分で蜂の巣を取り除く試みは危険を伴うため、専門家に依頼する必要があります。
庭にドウダンツツジを植える大きな利点
ドウダンツツジを庭に植える理由は多々ありますが、特に以下の3つのメリットが挙げられます。
- 初心者でも簡単に育てられる
- 年間を通して美しい風景を提供する
- 切り枝としてインテリアにも活用できる
初心者にも優しい育てやすさ
ドウダンツツジは、日本が原産地であるため日本の気候に非常に適しています。
暑さや寒さに強く、日当たりがよければ適度な水やりと肥料でほぼ自然に成長します。
手間がかからず、初めての園芸にも理想的な植物です。
剪定の必要も少なく手入れが比較的簡単ですが、唯一の手間は落ち葉の掃除くらいです。
四季折々の美しさ
ドウダンツツジは、春には白い花と新緑、秋には鮮やかな紅葉が楽しめます。
冬は葉を落として裸木になりますが、それはそれで季節の変化を感じさせてくれる魅力があります。
常緑樹にはない、季節感あふれる風景を庭にもたらしてくれます。
インテリアとしての活用
若い世代を中心に、ドウダンツツジの枝は「切り枝」としても人気があります。
日本原産でありながら、洋風のインテリアにもマッチする洗練された枝ぶりが魅力的です。
フラワーショップでは1本が高価ですが、自分の庭から切ってきて家の中に飾ればコストはかかりません。
庭だけでなく室内でも楽しめる、お得で美しい植物です。
ドウダンツツジを庭で安心して育てるためのコツ
ドウダンツツジを庭で安全に、そして近隣との良好な関係を保ちながら育てるためのコツをご紹介します。
- 近隣や道路の境界線付近には植え避ける
- 鉢植えで管理する
近隣や道路の境界線から離して植える
生け垣としても人気のドウダンツツジですが、その落ち葉が隣家や道路に散らばることがあります。
特に隣家との距離が近い場合、境界線に植えるのは避けましょう。
庭の中央や家の近くなど、落ち葉が飛び散りにくい場所を選んで植えると良いでしょう。
鉢植えでの育成
鉢植えでドウダンツツジを育てることで、地植えの際に起こりがちなトラブルを減らせます。
鉢植えなら、落ち葉が集まる時期に鉢を移動させて飛散を抑えることができます。
また、成長のコントロールもしやすく蜂や蟻などの害虫対策にも効果的です。
蜂の巣ができる心配も少なくなります。
まとめ
ドウダンツツジを庭に植えてはいけないと言われる理由についてまとめました。
毒があると言われてたのは昔の話で、実際には毒は無いとされています。
しかし、落ち葉が多いとか蜜に蜂やアリが寄ってくるという難点があります。
でも育てやすく初心者に向いてる植物ではあります。