春に白い花を咲かせ、夏に甘酸っぱい実を実らせる落葉高木である枇杷の木は、日本で古くから親しまれてきました。
枇杷の花や実は和菓子やお茶の材料として利用されてきましたが、一方で枇杷の木には縁起が悪いという信じられてきた歴史もあります。
ここでは、枇杷の木を庭に植えると縁起が悪いと言われる理由をまとめました。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由1:日当たりの問題
枇杷の木は高さが5m〜10mにも達する大木です。
これが庭に植えられると、大きな葉や枝が他の植物や住宅の日当たりを遮ることがあります。
その結果、他の植物の成長が妨げられ、住宅内で湿気やカビの問題が生じたりもします。
また、枇杷の木自体も日当たり不足で健康に悪影響を及ぼすことがあるため、枇杷の木は日当たりを奪う存在として避けられることがあるのです。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由2:病人が集まる木
枇杷には古くから咳止めや炎症抑制の効果があると信じられており、民間薬として使われてきました。
そのため、枇杷の木が庭にあると近隣の病人が枇杷を求めて訪れます。
そして枇杷の葉や花を摘み取っていくことがあります。
このことから、枇杷の木の周りには病人が集まるというイメージが広まり、これが縁起が悪いとされる理由となっています。
また、病人が集まることは家の主人にとって迷惑であり、また病気の感染を心配する要因ともなったでしょう。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由3:薬効が高くて薬の売り上げに影響を与えること
枇杷の薬効が高いと、薬屋さんにとっては薬の売り上げに悪影響を及ぼします。
枇杷の木が強力な薬効を持つと広まれば、人々は薬を購入せずに枇杷を利用しようとします。
こうなると薬屋にとっては商売あがったりです。
こういう理由から薬屋さんが枇杷の木を批判し枇杷の利用を抑えるように縁起が悪いと触れ回ったと伝えられます。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由4:身代わりの木としての過去
枇杷の木は過去には陰陽師によって身代わりの木として利用されたことがあります。
身代わりの木は、人間の災難や病気を受け入れる役割を果たすと信じられていました。
悪霊や病魔から守るために枇杷の木を切り倒され利用されたことから、枇杷の木は縁起が悪いものとされるようになったと考えられます。
まとめ
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由について紹介しましたが、これらはあくまで言い伝えに過ぎず、気にする必要はありません。
一方で、枇杷の木には縁起が良いとする言い伝えも存在します。
枇杷の花の花言葉は「温和」や「治癒」などであり、良い意味が込められています。
実際に、枇杷の木は美しい花や実を楽しむだけでなく、薬効もあるため多くの人に愛されています。