枇杷の木は、春に白い花を咲かせ、夏に甘酸っぱい果実を実らせる落葉高木です。
日本では古くから親しまれており、枇杷の花や果実は和菓子やお茶などにも使われてきました。
しかし、枇杷の木には縁起が悪いという言い伝えもあります。
なぜ枇杷の木は縁起が悪いと言われるのでしょうか。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由・日当たりが悪くなるから
枇杷の木は樹高が5m〜10mほどにもなる高い木です。
ですので、枇杷の木を庭に植えるとその大きな葉や枝で他の植物や家の日当たりを遮ってしまうことがあります。
当たりが悪くなると、他の植物は育ちにくくなりますし、家では湿気やカビなどの問題が発生する可能性があります。
また、枇杷の木自体も日当たり不足で病気にかかりやすくなります。
そのため、枇杷の木は日当たりを奪う木として忌避されるようになったという説があります。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由・薬効が高くて病人が集まるから
枇杷には、咳止めや炎症を抑える効果があるとされており、古くから民間薬として用いられてきました 。
しかし、枇杷の木を庭に植えると近所の病人が枇杷をもらいに来たり、枇杷の葉や花を摘んだりするため枇杷の木に集まってきます。
こうして病人が集まる木は縁起が悪いとされるようになったのです。
また、病人が集まったり枇杷の実を勝手に持っていかれたりするのは、家の主人にとっては迷惑であり、また病気が移るのではないかという不安もあったでしょう。
そのため、枇杷の木は病人を呼ぶ木として忌み嫌われるようになったのかも知れません。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由・薬効が高くて薬が売れないから
枇杷の薬効が高いと薬屋さんは薬が売れなくて商売になりません。
枇杷の木が薬屋さんにとっては商売敵になります。
薬屋さんが枇杷の木を悪く言って、人々に枇杷を使わないように仕向けたのかも知れません。
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由・身代わりの木とされてたから
枇杷の木は、陰陽師によって身代わりの木として使われてた歴史があります。
身代わりの木とは、人間の災難や病気を引き受けてくれるという意味です。
憑りつかれた人の身代わりとして使われ、枇杷の木を切り倒すことによって悪霊や病魔を追い払うとされていました。
枇杷の木に悪霊や病魔が集まると、家や家族にも災いが及ぶのではないかという恐れがあったでしょう。
そのため、枇杷の木は身代わりの木として恐れられるようになったという説があります。
まとめ
枇杷の木が縁起が悪いと言われる理由をご紹介しました。
これらの理由はあくまで言い伝えであり、そんな気にしなくてもよいと思います。
一方、枇杷の木には縁起が良いという言い伝えもあります。
枇杷の花の花言葉は「温和」「治癒」などであり、悪い意味はありません。
実際、枇杷の木は美しい花や果実を楽しめるだけでなく、薬効もありますし枇杷の実は食べると美味しいですもんね。